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石の間【いしのま】(合の間【あいのま】−日光東照宮−


夕闇が迫るころ、僅かな雪洞の明かりに照らし出された殿内は、一段と神々しさを加える。
−神界と人界をつなぐ空間−
 本殿と拝殿をつなぐ一段低い部屋で、石の間と呼ばれてはいますが、実際に床が石敷になっている訳ではありません。二つの社殿を結ぶ石の廊下が発達した形式ゆえにこの名が付きました。この様な社殿の構造を権現造【ごんげんづくり】といいます。社寺建築としては新しい様式で、東照宮が出来てから権現造と呼ばれるようになりました。それは江戸時代、家康公が権現様と尊称されたからです。
 石の間は、神の世界(本殿)と人間の世界(拝殿)をつなぐ重要な空間であり、この部屋を中心として諸祭典が行われます。
 拝殿との境は2本の柱があるだけで、御簾がさがっています。本殿に至る階段は、真鍮板が張ってあります。当時、真鍮は輸入品であり、大変に高価なものでした。部屋の両側は中央に扉を設け、その左右は立湧の彫刻を入れた華灯窓、扉の上の欄間は、輪つなぎの透し彫りがはめ込まれていて、朝・夕の陽差しを受けると、ステンドグラスの様な美しい光の模様が見られます。その左右の羽目には、本殿よりに錦鶏、拝殿側には山鵲の優雅な舞姿が描かれています。
 天井は拝殿と同じく、折上格天井と呼ばれる構造です。格間に1羽ずつ描かれている鳥は、「宝暦結構書」には錦花鳥とあり、「鸞【らん】」のことです。

   

日光東照宮石の間MENU

 

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